慶應義塾大学 通信教育課程(以下、「慶應通信」)卒業を目指し、その学びを書きとめる当ブログ、今回の記事は秋期週末スクーリング「東洋史特殊」の振りかえり、の書きとめです。
本記事の書きとめは、
- 東洋史特殊、単位取得までの道のり
- 東洋史特殊、の概要
- 慶應通信、入学後15ヶ月目後半のToDo
の3本です。
私は慶應通信 文学部 第2類(史学)で学ぶ40代中年オヤジ。平日はサラリーマン、休日は大学生。人の倍の人生を楽しんでいます。
東洋史特殊、単位取得までの道のり
前回記事を書いた11月18日から3週間が経った昨日12月9日(金)、秋期週末スクーリングの試験結果が発表されました。私は「東洋史特殊」を受講しました。
結果は、、、
合格‼
やりました!2単位ゲットです。本当に嬉しいです。
「東洋史特殊」は今年10月中~下旬の3週間、毎週土日に慶應義塾大学 三田キャンパスに通って学びました。最後の講義からまだ1ヶ月強程度しか経っていませんが、とても懐かしい気がします。
三田キャンパスにドキドキしながら入った話は一度記事にしていますが、もう一度簡単に振り返ります。
- 10月15日(土) 13:30~17:15、初登校です。私と同じように緊張しながらも、これから始まる講義への期待に笑顔はずむひとつずつの同窓生を見て、ひとり勝手に胸を熱くしました。
- 10月16日(日) 9:00~12:45、2回目の当校です。担当教員でいらっしゃる粕谷 祐子先生の講義が抜群に面白く、先生がまぶしく輝いて見えました。その話術が私にも欲しい。
- 10月22日(土) 13:30~17:15、3回目の当校です。(ラーメン二郎行きて―)なる邪念を秘めながらお店の前を走るように過ぎ去り、三田キャンパスの門をくぐります。
- 10月23日(日) 9:00~12:45、4回目の当校です。同窓の皆さんがそれぞれ何となく自分で決めた固定席に着座される中、毎回座る場所を変えていた私は秋の空の下、午前の日ざし直撃の机に陣取ってしまいました。講義は一番私が興味を持っているマレーシアとシンガポールだったので楽しい。
- 10月29日(土) 13:30~17:15、5回目の当校です。平日は会社員として通勤、休日は学生として通学する日々が連続して3週間、新しい風に夢の翼ひろげて三田キャンパスにやってきた2週間前の気持ちそのまま講義前に構内を1時間ほどウロウロします。
- 10月30日(日) 9:00~12:45、6回目にして2022年度秋期週末スクーリングの最終日です。2コマ目の科目試験は個人的には満足いかない出来で、(ああすればよかった)、(こうすればよかったかも)など、思い出の傷が残りました。
- 12月9日(金)、科目試験結果を見て合格を知りました。科目試験の失敗感さえあたたかく感じます。
「東洋史特殊」のおかげで、今まで遠くて近い、近くて遠い感じを持っていた東南アジアをグッと身近に感じられるようになりました。
もし「東洋史特殊」を受講していなかったら、私は今年のG20サミットのニュースにそれほど耳を傾けることはなかったでしょう。
もし「東洋史特殊」を受講していなかったら、私は先月11月19日のマレーシアの選挙結果を非常な驚きで眺めることはなかったでしょう。
人生が豊かになった、と感じる講義でした。粕谷先生、ありがとうございました。
東洋史特殊、の概要
「東洋史特殊」に指定テキストはありませんでした。参考文献は慶應通信Webサイトの講義要綱記載の通り、下記の書籍です。
『教養の東南アジア現代政史』 川中豪・川村晃一編 ミネルヴァ書房 2020年
この『教養の東南アジア現代政史』は雑多な東南アジアをテーマ別に上手くまとめて記載されており、大変おススメの一冊です。
雑多?
そうです。この「東洋史特殊」の講義で最初に驚いたことが、(改めて考えると東南アジア諸国にあまり共通点はないな)ということでした。
振りかえれば私の場合、 東南アジア という括り(分類・カテゴリー)を先に知り、その後で、
東南アジアにあるタイってどんな国?
東南アジアにあるインドネシアってどんな国?
東南アジアにあるフィリピンってどんな国?
という視点で東南アジア諸国を知ったように思います。おそらくこの理由は中学一年生で習った地理の影響が大きいのではないかと思います。三つ子の魂百まで。刷り込みって恐ろしいと感じます。
ASEAN (Association of Southeast Asian Nations≒東南アジア諸国連合)の存在も何となく「東南アジアは一つのまとまり」とイメージすることに一役買っているように思います。もっともASEANは東南アジア諸国が自分たちのまとまりを世界にアピールしているとも考えられるので、ASEANをもって東南アジアは一つとイメージすることは間違いではないのかもしれません。とは言えASEANの存在が実態以上に東南アジアを一つのまとまりと見る視点を生んでいるとは感じられます。
では東南アジアがどれくらい雑多なのか、データを見てみましょう。
ちょうど外務省ホームページに「目で見るASEAN-ASEAN経済統計基礎資料-」という資料を見つけたので抜粋しつつ話を進めます。
●2021年の人口と面積
国 | (万人) | (㎞2) | 面積を日本に例えると… |
ブルネイ | 44 | 5,765 | 三重県くらい |
カンボジア | 1,695 | 181,035 | 北海道の2倍強くらい |
インドネシア | 27,636 | 1,920,000 | 日本の5倍くらい |
ラオス | 738 | 240,000 | 本州くらい |
マレーシア | 3,278 | 330,000 | 日本よりちょっとだけ小さい |
ミャンマー | 5,481 | 680,000 | 日本の2倍弱くらい |
フィリピン | 11,105 | 298,170 | 北海道と本州を合わせたくらい |
シンガポール | 545 | 720 | 東京23区くらい |
タイ | 6,995 | 514,000 | 日本に北海道・四国・九州をもう一つずつ加えたくらい(分かるかな?) |
ベトナム | 9,817 | 329,241 | 日本よりちょっとだけ小さい |
(日本) | (12,568) | (377,900) |
参考までに日本も載せてみました。
一番人口の少ないブルネイは44万人。日本で一番人口の少ない鳥取県の約54万人(2022年)よりもさらに10万人少ないです。
一番人口の多いインドネシアは2億7千万人以上。日本の倍の人口です。
●人種・宗教・言語
国 | 民族 | 宗教 | 言語 |
ブルネイ | マレー系66%、中華系10%、その他24% | イスラム教81%、仏教7%、キリスト教7%、その他5% | 公用語はマレー語。 |
カンボジア | 90%以上がカンボジア人とされている | 仏教(一部少数民族はイスラム教) | クメール語 |
インドネシア | 約300 | イスラム教87%、キリスト教11%など | インドネシア語 |
ラオス | ラオ族含む計50民族 | 仏教 | ラオス語 |
マレーシア | マレー系70%、中国系23%、インド系7%、他1% | イスラム教61%、仏教20%、キリスト教9%など | マレー語、中国語、タミール語、英語 |
ミャンマー | ビルマ族70%+多くの少数民族 | 仏教90%、キリスト教、イスラム教など | ミャンマー語 |
フィリピン | マレー系が主体 | ASEAN唯一のキリスト教国 | 国語はフィリピノ語。公用語はフィリピノ語、英語。180以上の言語あり。 |
シンガポール | 中華系76%、マレー系15%、インド系7.5% | 仏教、イスラム教、キリスト教、道教、ヒンズー教 | 国語はマレー語。公用語として英語、中国語、マレー語、タミール語 |
タイ | 大多数がタイ族 | 仏教94%、イスラム教5% | タイ語 |
ベトナム | キン族86%+53の少数民族 | 仏教、カトリック、カオダイ教他 | ベトナム語 |
全然共通点がありません。同じ地域に色々な背景を持つ人々が住んでいらっしゃるだけでまとまったものはなさそうです。
●1人当たりGDP(2021年)
国 | (米ドル) |
ブルネイ | 31,723 |
カンボジア | 1,591 |
インドネシア | 4,292 |
ラオス | 2,551 |
マレーシア | 11,371 |
ミャンマー | 1,187 |
フィリピン | 3,549 |
シンガポール | 72,794 |
タイ | 7,233 |
ベトナム | 3,694 |
(日本) | (39,285) |
日本以上に豊かなシンガポールは、もっとも貧しいミャンマーの60倍以上の1人当たりGDPです。多分ですが私の勤め先の社長の給料は私の60倍もありません。もちろん新入社員の方の給料が私の60分の1なんてことはありえません。
簡単に、人口、面積、民族、宗教、言語、経済を見ました。改めて東南アジアという括りは何なのかと考えされられるデータではないかと思います。
「東洋史特殊」で最初の驚きが、そもそも東南アジアという地理的概念自体が1943年に生まれたもの、という事実でした。それまでは英語圏では Further India、Asia of Monsoon、中国語では南洋、日本では南方と呼ばれていたのが今の東南アジアです。1943年に連合軍がSouth East Asia Command(≒東南アジア司令部)を創設、それ以降 東南アジア という言葉・概念が広がっていきました。
こうした雑多な東南アジアを主に政治体制から分析・比較・考察する科目が「東洋史特殊」でした。
慶應通信、入学後15ヶ月目後半のToDo
まずこの3週間の振りかえり、次に年末までのToDoリストです。
慶應通信14ヶ月目後半~15ヶ月目前半の振りかえり
- 秋期メディア授業「図書館・情報学」、小テストを完了
- 放送授業「リーディング」、配信される3コマを受講(1コマ30分程度)
- 「英語Ⅰ」のレポート課題[第2回]を作成して提出 ⇒ 第1回・第2回とも合格でした!
- 「英語Ⅶ」、不合格になったレポート課題[第1回]、[第2回]の再提出 ⇒ 第1回・第2回とも合格になりました!
- 秋期週末スクーリング「東洋史特殊」の成績通知を受領 ⇒ 合格‼(2単位ゲット)
この3週間は非常に波に乗った充実した日々でした。本業は忙しく、平日はほぼ英単語暗記くらいしかできませんでした。それでも毎週末の土日には集中して学びに取り組むことができました。
「英語Ⅰ」のレポート一発合格も非常に嬉しかったです。テキストやレポートに取り組みながら、この「英語Ⅰ」は(私の英語力よりもわりと上のレベルだな…)と感じながら必至でついていくのがやっと、という感じでした。2023年1月に予定されている科目試験も全力で挑みます。
慶應通信15ヶ月目、年末までのToDo
- 秋期メディア授業「図書館・情報学」のレポート提出
- テキスト科目「地理学Ⅰ」のレポート提出
- 放送授業「リーディング」、最後の1コマを受講
- 2023年1月の科目試験準備
「図書館・情報学」のレポートは大半を仕上げています。後は最終チェックのみです。1~3月はメディア授業・放送授業ともありませんので、久しぶりにテキスト科目に集中します。選択したのは「地理学Ⅰ」。なんとか年内にレポートを仕上げて年明けを迎えたいです。また、2023年1月の科目試験(代替レポート)も控えています。レポート作成と平行してテキストや講義内容の学び直しを進めます。
卒業までに取得が必要な単位 … 残り78
何かの参考になれば幸いです。最後まで読んでくださりありがとうございました。
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