K-32.慶應通信、西洋史概論(その1:レポート提出)

K.慶応義塾大学 通信教育課程

 慶應義塾大学 通信教育課程(以下、「慶應通信」)卒業を目指し、その学びを書きとめる当ブログ、今回の記事は春期メディア授業を履修している、というお話です。

本記事の書きとめは、

  • メディア授業ってなに?
  • 5月下旬現在の進捗
  • レポート課題提出までに読んだ本

の3本です。

 私にとって初めてのメディア授業。入学以来半年以上、テキストや参考文献と向き合う日々でしたので、とても新鮮な体験をしています。

メディア授業ってなに?

 メディア授業はE-スクーリングとも言います。自宅にいながらパソコン越しに講義を受ける科目です。講義は予め録画されているものをパソコンで再生して受講します。

 自宅で好きな時間に慶應の講義を受けられる、これは特に平日日中の時間制約が厳しい中年サラリーマンの私にとりまして大変ありがたい制度です。

 学士入学の私は卒業までに15単位以上、面接授業(直接大学に行って講義を受ける授業)で単位を取得しなければなりません。この15単位中、10単位までメディア授業で単位を取得できます。私は最大限メディア授業を活用する予定です。

 だいたい20年ぶりに大学の講義を受ける中年オヤジの私。パソコン越しながら、まだ20歳前後だった20年前の青春時代の思い出がよみがえり、楽しく受講しています(笑)

 20年前のあの頃、先生が教えてくださることをしっかり理解すれば良いと考え、無邪気に、真面目に毎日大学に通っていました(週一くらいはバイトを理由にさぼっていました)

 今は先生が最先端の問題のありかや学問的な考え方を教えてくださっているのだと考え、(この話題は自分の興味に刺さる/刺さらない)、(ここはもう少し調べてみよう)と思いながら講義を楽しく聴いています。

5月下旬現在の進捗

 今回の2022年度春期メディア授業で私が履修している科目は 西洋史概説 です。5月下旬現在の進捗は以下の通り(慶應通信のWebサイトでシラバスを確認できます)。

  • 講義範囲は11世紀から近世初頭までのヨーロッパの歴史です。
  • 全11回の講義です(面接授業の録画なので講義時間は1回につき80~100分程度です)。
  • 4月12日に講義が始まりました。
  • 4月12日以降、毎週火曜日に2~3講義まとめて閲覧できるようになります。
  • 5月10日には11回全ての講義を受講可能になりました。
  • 5月下旬現在、レポート課題の〆切が迫っています。
  • 5月下旬現在、小テストはまだ公表されていません。
  • 私は5月22日(日)にレポート課題を提出しました。

 ゴールデンウイークのおかげで何とか11回の講義を遅れずに受講し、レポート課題も提出することができました。

 一方、秋期メディアの期間は10月中旬~12月中旬。

 大型連休が間にないので遅れずに受講できるか今からもう心配です(笑)

 

レポート課題提出までに読んだ本

 レポート課題にかかわる本は伏せます。それ以外に以下の4冊を読みました。

春期メディア授業「西洋史概説」のレポート課題を作成するため、下記3冊に加えてテキスト(約400頁)、その他参考文献2冊の計7冊を読んでいます。

  • 佐藤猛著『百年戦争』中公新書、2020年
  • 山瀬善一著『百年戦争』教育社歴史新書、1981年
  • 朝治敬三・渡辺節夫・加藤玄編『中世英仏関係史』創元社、2012年
  • 金澤周作監修『論点・西洋史学』ミネルヴァ書房、2020年

 順番に少しだけ本を紹介します。

  • 佐藤猛著『百年戦争』中公新書、2020年

 百年戦争の概略を知るにはまずはこの一冊です。

 百年戦争期に起きたそれぞれの争いについて、誰と誰が、何を争点として戦い、結果どうなったのか、という点が分かり易く整理されています。視線はフランス側からのものが主体です。

 巻末には百年戦争が残した次代への影響にも触れられています。これ一冊で百年戦争の流れ、個々の争い、全体像が分かります。  

  • 山瀬善一著『百年戦争』教育社歴史新書、1981年

 百年戦争期に課税と軍隊がどう変化したかを知る一冊です。

 国境線が明確で国境線内部の一体感が強い近代国家は百年戦争期に生まれたという学説があります。税の仕組みと軍隊、いずれも強力な国家を形成する上で欠かせません。それらがどのように変化したのかが分かります。

 同じ内容が繰り返し記述されている面は気になります。けれども、日本語で読める百年戦争期の経済について解説された希少な本です。

  • 朝治敬三・渡辺節夫・加藤玄編『中世英仏関係史』創元社、2012年

 中世期、今のフランスとイギリスのある地域がお互いにどう関わっていたのかを知る一冊です。

 第Ⅱ部の分野史が特に面白いです。先に紹介した二冊ではさらっとしか登場しない、でもなんとなく影響力の大きそうなノルマンディ、フランドル、アイスランド、スコットランド、イベリア半島の各地域が、どのように英仏両地域に関わり、影響を及ぼし、どのような視点の研究が今求められているのかが分かります。

  • 金澤周作監修『論点・西洋史学』ミネルヴァ書房、2020年

 西洋史学の最先端が分かる一冊です。

 史学科の学生は当然、学問として歴史に触れたい方々に必携の一冊です。

 現在どういう分野のどういう観点が歴史学の研究テーマになっているのかが簡単に分かります。例えば先に挙げた近代国家は百年戦争期に生まれたという学説も本書第Ⅱ章-21でしっかり取り上げられています。

 先に現在主流となっている歴史的事実を簡潔にまとめ、その後に研究者が熱い議論を交わしている論点が複数紹介されています。1テーマ見開き2ページで紹介されている点もとても見易いです。

 以前であれば、大学に行って各先生方の講義を聞き、自分で知識を整理しながら一つ一つ把握しなければならなかった歴史学の最先端の論点。それがこの1冊で139もの論点を学べるのですからなんとも贅沢な書籍です。

 慶應通信メディア授業・西洋史概説。この記事の最後に私の学びの過程を書きとめます。

  1. 3月中旬くらいから予習のためテキストを読み始め、講義が始まるまでに1回読み通しておく
  2. 講義を聞く
  3. 全11講義の半分くらいを聞いたところで(百年戦争がキーになりそうだ)と感じ、佐藤本・山瀬本を読みはじめる
  4. ゴールデンウイーク(GW)に入ったころにレポート課題を知る
  5. 本記事で紹介していない2冊を入手、GW期間を利用して読む
  6. 相変わらずレポート作成に行き詰まり(笑)、GW後半、息抜きに『中世英仏関係史』を読む
  7. 書店で『論点・西洋史学』を見つけて即買い、古代史・中世史に一通り目を通す
  8. レポート課題を作成し、提出する

 卒業までに取得が必要な単位 … 残り84

 史学概論のレポートを提出した後、概ね1ヶ月で2度目のレポートを提出できました。

 今回はゴールデンウイークがありましたので、中年サラリーマンの私は大変助かりました。しばらく大型連休はありませんけれども、この後もピッチを上げて、卒業にまい進します(笑)

 何かの参考になれば幸いです。最後まで読んでくださりありがとうございました。

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