K-47.慶應通信、入学後17ヶ月目(図書館・情報学)

K.慶応義塾大学 通信教育課程

 慶應義塾大学 通信教育課程(以下、「慶應通信」)卒業を目指し、その学びを書きとめる当ブログ、今回の記事は図書館・情報学で知の本質を学んだ、の書きとめです。

本記事の書きとめは、

  • 「図書館・情報学」ってなんだ?
  • 知はネットワークである
  • そして図書館はどうあるべきか

の3本です。

 私は慶應通信 文学部 第2類(史学)で学ぶ40代中年オヤジ。平日はサラリーマン、休日は大学生。人の倍の人生を楽しんでいます。

 2023年2月19日現在、慶應通信2023年4月1日入学の願書出願期間(2月10日(金)~3月10日(金))です。私は2021年4月1日入学を目指して不合格2021年10月1日入学で合格し、現在慶應通信入学後17ヶ月目を迎えています。

 私が2021年4月1日入学に向けて願書を出願した日は2021年3月7日でした。当日の私の日記にはこう記録を残しています。

迷いつつ何とか仕上げた論文。ようやく清書が終わった。受かるかどうかドキドキしながらポストに投函した。やや課題図書の読み込みが甘い気がする。

きろべあ 、2021年3月7日の日記より

 「はい、その通り課題図書の読み込みが甘いだけではなく、その選定も間違っており(詳細)君は落ちるのだよ」と2年前の自分に教えてあげたい気分です。

 受験生のみなさん、がんばってください。

 

 

「図書館・情報学」ってなんだ?

 「図書館・情報学」を私は秋期メディア授業として受講しました。毎週2~3コマ(1コマ=約100分)配信される講義映像を見ながら学び、レポートや小テスト、科目試験をクリアして単位を取得するタイプの学びです。

 慶應通信シラバス記載の通り、担当教員は 根本彰先生、テキストは『情報リテラシーのための図書館』(根本彰著、みすず書房、2017)です。

 なお、根本先生は『オダメモリー』というブログをお持ちです。履修直後にその存在を知りました。もっとも最初にブログを拝見した時は各記事に対して(わけがわからない)と思っていました。

 しかし今は結構楽しく読んでいます。

 中でも昨日2月18日アップされたばかりのほやほや記事、『軽井沢風越学園の図書館教育コンセプト』は読んでいて(うちの子どももこんな学校で学ばせたかった)とゾクゾクしました。

 私が風越学園の存在を知らなかったので記事内容が新鮮だった、という面もありますけれども、「図書館・情報学」で学んだ理想的な学びのモデルが実際に体現されていることを専門家である根本先生の言葉でご説明されている点に痺れました。

 話を私個人に戻します。

 半期前の2022年春期メディア授業で「西洋史概説」を履修するも、かなり時間に追われて単位を落としました。迎えた2022年秋期メディア授業はその反省から1科目に抑えるつもりでした。実際「イギリス文学」の履修を先に決め、この「図書館・情報学」は履修するか否か大変迷いました

 結局「レポート作成の情報収集に困っているので何かヒントが欲しい」という気持ちで「図書館・情報学」の履修を決断します。そして今の心境は、履修して大正解!、です。

 この「図書館・情報学」は慶應通信入学後、最初に履修すべき1コマとして必修にした方がよいのではないか、とすら感じています。その理由をこれから書きとめて参ります。

 正直に白状しますとこの「図書館・情報学」、学び始めた直後はあまりに抽象度が高く、先生の説明が全く頭に入りませんでした。(これは選択を失敗したか?)と思っていたほどです。そもそも私の受講動機が「レポート作成に役立てたい」だったため、抽象的な話に興味がなかったのです。

 講義は概ね以下のように進みます。

  • 情報リテラシーとは何か?
  • 知とはどういうものを指すのか?
  • 日本では情報リテラシーや知というものをこれまでどう扱ってきたのか?
  • 情報リテラシーと知の本質を踏まえ、日本の図書館や学びはこれからどうあるべきか?

 ご興味があれば慶應通信Webサイトのシラバス(講義要綱)から、2022年秋期メディア授業「図書館・情報学」で詳細を確認してください。

 さて、私の考えが(履修失敗か?)から(履修大正解!)へと変わったきっかけです。

 それは図書館はどうあるべきかと学んでいる時に何度も(知の本質とは?)と自分で考えていた時に起こりました。

 知の本質?

 次の章で書きとめてまいります。

 

知とはネットワークのことである

 先に結論を述べます。私が「図書館・情報学」で学びながら自分なりに理解した知の本質は、「知とはネットワークのことである」です。

 どういうことでしょうか?

 テキストから少し抜粋します。

本書で筆者は、情報リテラシー過程とは、事実が情報、理解、知識、知恵に変換される一連の過程であり、その変換自体と変換のための知的コンテンツ利用の重要性を説いてきた。

『情報リテラシーのための図書館』 222頁より引用

 注目していただきたいのは「事実が情報、理解、知識、知恵に変換される」です。これが知の本質であると私は理解しています。具体例をあげて説明します。ツッコミどころの多い具体例ですが、「知とはネットワークのことである」をなんとなく感じていただくための例ですのでご容赦ください。

 平日日中(窓際…)サラリーマンの私は長年、ワイシャツの襟汚れに悩まされてきました。ワイシャツの襟汚れって気になりますよね。椅子に座っている人に話しかけようと後ろから歩いて近づいた時、襟が汚れていると(うわぁ…)っと感じます。私も何度その感情を上司・同僚にいただかせ、これからも失敗することか…。

 それが最近「ワイシャツの襟汚れには食器用洗剤が有効」と知りました。さっそく試してみますと劇的に白くなったので感激しました。

 まず「ワイシャツの襟が汚れている」という事実があります。ここに「衣類の汚れは洗濯用洗剤で落とせる」という情報を得て「ワイシャツの襟汚れは洗濯用洗剤で落とす」という私の知識が作られています。

 もう一方、「皿が汚れている」という事実があります。同様に「皿の汚れは食器用洗剤で落とせる」という情報を得て、「皿汚れは食器用洗剤で落とす」という私の知識も作られています。

 ここに、

  • 洗濯用洗剤も食器用洗剤も界面活性剤の作用を利用したものである
  • 食器用洗剤は洗濯用洗剤よりも一般的に界面活性剤の濃度が高い (食器用洗剤は油汚れを落とすことを主な目的とする一方、洗濯用洗剤は油汚れ以外にも泥や化粧品など様々な汚れに対応するために作られおり、界面活性剤以外にも様々な成分をふくんでいるからです)
  • ワイシャツの襟汚れの原因は皮脂

 という情報なり知識なりが加わることで、「衣類の汚れは洗濯用洗剤で落とす、食器の汚れは食器用洗剤で落とす」という固定観念化した知識を崩し、「ワイシャツの襟汚れには食器用洗剤が有効」という新たな知恵を獲得することができます。

 つまり、知とは事実や情報、知識、知恵といったもののネットワークで形作られている、と言えるのです。

 「知とはネットワークのことである」

 こう考えるとテレビのニュース番組などでコメンテーターにお笑い芸人の方々が頻繁に起用されている理由を説明することができます。

 まず、笑いとは一見ありえそうにないものの結びつきから生まれると考えられます。

 下ネタで大変恐縮かつお恥ずかしいのですけれども、最近私がネットで見て大いに笑ったネタにこんなものがあります。

 問い:ワンピースとパンパース®の違いは?

 答え:「くそお世話になりました」がワンピース®、「くそがお世話になりました」がパンパース®

 

 『ワンピース』という尾田栄一郎さんの大ヒット漫画の存在、そしてそれに出てくるキャラクターの名セリフ、パンパース®がP&G社のおむつの商標、といった情報がなければこのネタは生まれませんし、笑えません。

 私たちはお笑い芸人の方々に頭の良さを感じています。

 それは私たちが思いつかない情報をネットワーク化してお笑いに変化させるというお笑い芸人の方々の力に知的なものを感じ取っているからであると考えられます。

 そしてその力をお笑い方面にのみならず、ニュースについても発揮いただくことを期待されるがためにコメンテーターにお笑い芸人がよく起用されているのだ、と理解できるのです。

 (余談です。先日YouTubeで岡田斗司夫さんの公式チャンネルを観て「ダウンタウンがお笑いに 分かる・分からない という概念を持ち込んだ」という説を聞き、(なるほどぉ~)と改めてダウンタウンさんの革新性を感じ、ますますファンになりました。)

 

そして図書館はどうあるべきか

 「知はネットワーク」

 この点を踏まえ、では図書館は人々がそのネットワークを構築するためにどのようにあるべきか?、と考えるのが「図書館・情報学」であると私は理解しています。

 ところで、どこでどう自分のこの固定観念が形成されたのか全く分からないのですけれども、私自身は今まで図書館に対し、「出版業界の破壊者」という否定的な認識を持っていました。そのためなるべく図書館には通わず、町の本屋さんで書籍を買っていました。

 「図書館・情報学」で学び、図書館が持つ役割などを知る過程で(大学卒業以来20年以上、全く図書館に通わずもったいない日々を過ごしたな)と後悔を感じています。

 (知ってなんだろう?)

 本記事であらためてこう振り返られた方はぜひ『情報リテラシーのための図書館』を手に取っていただくなり、根本先生のブログ『オダメモリー』にアクセスいただくなりして考えてみてください。きっと私と同じように多くの気づきを得ることができると思います。

 

 卒業までに取得が必要な単位 … 残り78

 何かの参考になれば幸いです。最後まで読んでくださりありがとうございました。

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