K-3.慶應通信入試、不合格の考察①

K.慶応義塾大学 通信教育課程

 

 慶應義塾大学 通信教育課程(以下、「慶應通信」)卒業を目指し、その学びを書きとめる当ブログ、今回の記事は不合格だった出願書類の考察です。

 私は2021年4月入学(第75期生)を目指して慶應義塾大学 通信教育課程 文学部 第2類(史学)に出願しました。

 書類選考の結果は「不合格」。

 今回は私が不合格になった理由を考察し、書きとめます。 

 慶應通信に合格するためには以下の3つの論文をクリアする必要があります。本記事では「1)志望した学部・類で何を学ぼうとしているのか?」について、私が考える不合格ポイントを書きとめて参ります。

【慶應義塾大学 通信教育課程 入学出願時に作成する3つの論文】

 以前は不合格論文を掲載していました。しかし、「公正な評価の妨げになる」などの理由から、大学側が選考書類のインターネット公表を禁止していることを知りましたので、現在は公表を控えています。本記事は不合格論文の全文を掲載していた過去記事の改訂版です。

不合格理由の考察概要

 「何を学ぼうとしているのか」、不合格時に提出した論文の欠点をまずはまとめます。

 不合格理由 = 2つの問い、両方とも正面から答えていない

 

 不合格時に提出した論文の欠点はこれに尽きると考えています。

 2つの問いとはもちろんこの二つです。

  • ①過去の学習体験に触れながら何を学ぼうとしているのか、具体的に述べる
  • ②将来の展望に触れながら何を学ぼうとしているのか、具体的述べる

 論文作成時にこの①、②に答える必要があることは理解していました。しかし結果的に出来た文章は①、②ともに答えていないものでした。

 なぜそうなったか?

 その説明の前にまず私の実態を書きとめます。

 私が慶應通信で学びたいと思いましたきっかけは、「自分が物事を考える上でしっかりとした軸を持っていたい」と思ったことでした。

 上手く言葉にできていませんね。もう少しお付き合いください。

 私はamazonレビューの投稿を趣味にしています。元々は読書内容を記憶に定着させるためにはじめました。そのうち、「参考になった投票」を稼ぐことが面白くなり、趣味化しました。(obudon、というペンネームで投稿していますので、よかったらレビューをご覧ください)

 そして、ある程度投稿を続ける中でふと気がついたことがありました。

 それは、入門書ばかりを好んで読み続けているという点です。

 具体的には「●●入門」というそのまんまなタイトルのものから、『100DE名著シリーズ』、『まんがで読破シリーズ』などが該当します。

 入門書ばかりを読む自分に気づいた時、(もう少し難解な書籍にチャレンジして思考を深めたい)、という気持ちを自分が持っていることにも気がつきました。

(難しいけれども名著と呼ばれる作品に挑戦して自分の思考を鍛えたい)

 ↓

(でも自分一人ではすぐに挫折するだろうな)

 ↓

(そうだ、通信大学に通うことで卒業を目標に学びを深めよう)

 ↓

(どうせなら難関と言われる慶應義塾の通信教育課程に挑戦しよう)

 以上のような思考過程を経て、慶應通信の出願書類を取り寄せ、論文作成に挑みます。

 志望学部は子どものころから伝記を読むのが好きだったこともあり、文学部 第2類(史学)に決めていました。

①過去の学習体験に答えられなかった理由

 論文作成に着手した際、(①過去の学習体験?特にないな)と考えていました。そのため、非常にどうするか悩みました。何せ歴史学は子どものころに伝記を読むのが好きだった、くらいで特に学習経験と呼べるような体験はしていません。

 ところで私は慶應通信に入学するために書く3つの論文の1つである「2)自分の学びたい学問領域に関わる書籍を一冊選び、概要を簡単にまとめた上で、自分の視点から詳しく論評しなさい」を書くため、2020年10月頃から出願した2021年3月まで、半年近く色々と歴史関係の書物を読んでいました。過去の学習体験の選定に悩む中、急にひらめきました。

 (この論文作成過程の読書も立派な学習体験ではないか?)

 私はこのアイデアに夢中になりました。そしてその通りに書きました。この時点ではまだ問題はないと考えています。慶應通信で学ぶべく、研鑽を積むことも一つの立派な学習経験であると断言できます。

 問題は、安易に書きやすいと感じた思いつきのアイデアに自分が飛びついたことをしっかり自覚しなかったことです。

 その結果、どんな論文ができたのか?

 私はタイピングする指の動きに任せるように、「この半年、入学を目指して頑張りました。一方で、今まで歴史学に興味がありながら学習しなかった後悔があります。」などと問いとは関係がない作文を論文に挿入して生き恥をさらすという失敗をしました。

 自分の動機を深堀りすることなく、書き易さに流れたことが失敗の原因でした。実際には例えば「●●入門という類の本を読んでこういうところに興味があったのでもっと深く知りたいと思いました」という感じで自分の本音に向き合いながら論文を書くべきではなかったか、感じます。

②将来の展望に答えられなかった理由

 「②将来の展望」は本当に何も考えていなかったので「①過去の学習体験」以上に何も書けませんでした。

 大事なことだと感じているので何回でも書きます。

 論文作成の段階で準備ができていないことは全く問題ではないです。

 問題は、問いを与えられてしっかりそれに向き合わないことです。それをせず、書きやすいネタを探して書く、という姿勢、これでは学問をする人間としての資質に欠けていると言わざるを得ません。

 論文内容に関わるので詳細には触れませんけれども、この「②将来の展望」は「①過去の学習体験」よりもひどく、おまけにちょっと何を言っているのか分からない、という内容のまま提出してしまいました。

 まとめます。不合格論文は「①過去の学習体験」、「②将来の展望」に上手く応えられていないので落第点を取るべくして取った仕上がりになっていました。

 そして論文が問うているであろう内容を理解しながらもそれに答えられなかった理由は、自分の内面に向き合う強さを当時は持っておらず、書きやすそうなこと、に筆が流れたことにあります。

 10代・20代の若い受験生の方はまた事情が異なると思います。

 しかし私のような40代の中年が大学で学びたいという自分の動機をさぐっていくと、どうしても過去の後悔や過去を引きずった気持ちが出てくるでしょう。その結果、自分の弱さや欠陥にも向き合わざるをえないでしょう。そこを避けずに挑むべきでした。

 そうした内省を求める慶應通信の3つの論文は非常に上手く出来ていると感心します。

 不合格から半年が経った21年10月、私はリベンジを果たしました。22年4月現在、慶應通信生として学ぶ日々を過ごしています。合格時に出願した書類は上に述べた自分の動機にしっかりと向き合って作成しました。

 

 卒業までに取得が必要な単位 … 残り84(入学以来半年、いまだ1つもレポート課題をクリアできず(泣))

 何かの参考になれば幸いです。最後まで読んでくださりありがとうございました。

本記事をのぞく、2つの論文の不合格考察はこちらからご覧ください

2021年秋に合格した時の考察記事はこちらです↓

コメント

タイトルとURLをコピーしました